どんな人でも感じる「不安」という感情。
初めての経験や、これまでに体験したことのない状況に置かれたり、過去や現在に体験したショックや心配事、悩みやストレスなどが、未来をネガティブに捉えてしまうなどで人の心には不安が生まれます。
また、それまでの生活基盤や急激に環境が変わったりすることでも不安が生じます。
このように不安な気持ちを抱えたままでは、毎日がしんどくなってしまったり、心の病気になってしまうこともあります。
そうならないためには、「不安を感じた時にその感情を少しでも和らげること」が必要です。
今回は、不安を和らげるために必要なことを紹介していきたいと思います。
もくじ
意識的にリラックスできる環境を作り出す
不安を感じた時には、意識的に落ち着ける環境を作って不安を和らげる努力をしてみましょう。
ゆっくり読書をしてみたり、ストレッチやスポーツに取り組むことで体や頭を解放してみたり、アロマを焚いたり癒しの音楽を聴いてリラックスするなども効果的です。
大きく深呼吸をしたり、だれかに不安に思っていることを話して聞いてもらったりするだけでも大きな変化があります。
不安を和らげて気持ちを落ち着かせるには、気持ちを切り替えることが大切です。
生活習慣を見直す
不摂生な生活をすることは、不安を招いてしまう原因になります。
不摂生な食事をとったり、睡眠時間が不規則では心が安らぐことができません。
まずは、身体を健康にしていかなければ心も健康にならず、不安を和らげることは難しくなってしまいます。
なかなか生活習慣を見直すことができない時には、心理テクニックにより不安を和らげる方法もあります。
「セルフハンディキャッピング」という方法です。
セルフハンディキャッピングとは
自分が得意ではないことが分かっている、または苦手としていることに向き合うとき、努力で乗り越えようとするのではなく、あえて“今の自分はこういう状態だから”と理由づけを行うことで、失敗のダメージを減らして、成功したときの評価を高くする効果があります。
これを行うによって、なかなか生活習慣を正すことができない自分自身への不安を和らげることが出来ます。
このことも参考にしながら、生活習慣はできるだけ見直していくように心がけることが大切です。
溜まった感情を吐き出してみる
不安を抱えている人にとって、自分の心に向き合うということ自体が、不安以外の何物でもありません。
自分の心と向き合うということは、不安の原因や不安な現実を直視することに繋がるからです。
ですが、それらを避けることによって余計につらい精神状態におちいってしまうことになります。
しっかりとその不安と向き合ってこそ、不安を和らげ安心することができるようになるのです。
この機会にぜひ勇気をもって取り組んでみましょう。
ここからは、その為に必要な心理テクニックを紹介します。
かの有名な心理学者のフロイトは、心の不安や苛立ちなどのストレスを解消するために「防衛機制」というものを提唱しました。
これは、ストレスなどが原因で社会に適応することが難しくなった自我を再適応させるための心理メカニズムのことです。
この防衛機制の1つに「退行」というものがあります。
退行とは
現在の状態より以前の状態、あるいは未発達で子供だったような段階へ逆戻りすることです。
退行することで、心理的な余裕を生み出すことができます。
もうこれ以上はしんどいという時に、子どものようになって周囲の人に頼ったり甘えたりするのも退行であると言えます。
不安になった時には、ちいさな子どものように感情を解放させて吐き出してみるのも良いでしょう。
暴れたり、泣いたりしても構いません。
そうすることで、不安を和らげることがきっとできるはずです。
どうしても耐え難いような不安に陥った時には、是非試してみてくださいね。
不安に思っていることを紙に書き出す
今、あなたはどんなことに不安を感じているのでしょうか?
その不安を一度、紙に書き出してみてください。
紙に書き出すという行為は、自分の心理状態を客観的にみるためにとても有効な手段です。
また、不安を紙に書き出してしたことによって「不安はもう自分の心の中から出してしまった」と思えるようになり、それだけでも大きく気持ちを落ち着かせることができます。
この方法は、その後の心理テクニックにも大いに役立つので是非試してみてください。
不安を論理的に考えてみる
先程、紙に書き出して客観視した不安を、さらに解消する心理技法がフロイトの防衛機制の中に
いくつかあるので記載しておきます。
その一つが「合理化」というものです。
合理化とは
不安というあなたにとって満たされない心のストレスに対して論理的に考えることで、自分を納得させる心理的なテクニックの事です。
つまり、「今、自分が不安なのは自分のせいではない」と考えることによって、自分の心を納得させようという試みです。
そうすることで、不安を和らげてリラックスすることができますので、試してみると良いでしょう。
周囲と自身を置き換えることで安心を得る
他にもいくつかフロイトの提唱した防衛機制の中に不安を和らげる方法があります。
「投影」という心理技法は、自分の中にある不安という感情を、自分ではなく他の人が持っているものと考えて置き換えるという方法のことです。
自分が今感じている不安は「本当は周囲の人が感じている不安なんだ」と思うことによって、あなた自身の不安を和らげ安心することが出来ます。
また、投影とは反対の発想に「取り入れ」という心理テクニックも役立ちます。
取り入れとは
他の人の中にあるポジティブな自信や安心などの感情を、自分のことのように感じたり、受け入れたりする心理テクニックです。
あまりに不安を感じてしまう時には、落ち着いている他の人の感情と、自分の感情を頭の中で置き換えてみましょう。
これらの心理技法は、どれも周囲と自分とを置き換えることで安心を得る方法になります。
自分の心のうちにばかり目を向けないようにすることも時には大切になるのです。
逆転の発想で見る角度を変えてみる
ここまでにあげた心理テクニックを試して、どうしても不安が解消しない時には「逆転」の発想を試してみてください。
逆転もフロイトの防衛機制の一つで、不安という感情を正反対のものに変えてしまう心理テクニックです。
不安で不安でたまらない時には、逆転の発想で「これだけ不安になったんだから、もうこれからは先は安心しか来ないんだ」と考えれば良いのです。
「どんなに辛くてもあけない夜はない」といった言葉もありますよね。
不安はいつまでも続く感情ではないということを自分自身の心に教えてあげることで、少しずつ不安を和らげ安心することができるでしょう。
このような逆転の発想もぜひ試してみてくださいね。
今まさに不安を抱えている人にとっては、中には理解できない方法もあるかも知れません。
でも、そんな時は「こんな方法や考え方もあるんだな」程度で覚えておいていただければ幸いに思います。
一度不安に囚われてしまうと、なかなかその不安から離れれないこともあるでしょう。
時間はかかるかもしれませんが、不安を少しずつ和らげていけば、いつかその不安から解放され安心して過ごせる日が来ます。
焦ることなくゆっくりと不安を和らげていってくださいね。
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