5つのテクニックで信頼を得る。占い師から学ぶ秘密のコミュニケーション術

私たちも占い師たちが使うテクニックを学ぶことにより、日常生活のコミュニケーションやビジネスシーンなどさまざまな場所で有益に活用できる。

占い師や霊媒師は相談者に会う前の段階から、セッションを有利に進めるためのいくつかの手順を設定している。 基本的には相談者がリラックスができるよう協調的な雰囲気を作り、相談者が相談内容に文句をつけたり反論をさせないようにすることが目的に使用されるものだ。

実際に使われることが多いテクニックを、具体例を用いて5つ紹介するので参考にしよう。

マインド・スクリプト

マインド・スクリプトとは誰かと会う場面について、自分の思いを表明する、短く単純で肯定的な言葉だ。 相手に会う前に心の中でその言葉を唱え、相手との会話の最中もそれを心の中で反復する。

例:「私はあなたが好きで、あなたも私のことが好きだ。だから、この会話はきっとうまいく。」
「僕はあなたのことが好きだし、あなたのタイプの男性も僕だ。このデートは必ず楽しくなる。」

マインドスクリプトをあらかじめ唱えるだけで、自分自身の相手に会った時の状態が大きく変化する。 そして、姿勢、ボディ・ランゲージ、声の調子、顔の表情、仕草、それ以外のところにもいろいろな影響が表れることにより、相手の方も、あながた決めたマインドスクリプトに多かれ少なかれ影響されることは間違いない。

なぜここまでマインドスクリプトが有効に働くかを説明する為に、ノンバーバル・コミュニケーション(非言語表現)の影響力についても触れておく必要がある。

ノンバーバル・コミュニケーションとは、ボディランゲージやノンバーバル行動とも呼ばれ、話し言葉と同じく情報伝達の手段だ。

顔の表情、身振り、体の触れ方(触覚学)、体の動き(動作学)、姿勢、身なり、さらには話す内容ではなく声のトーンや大きさや声色によって伝わるものである。
(バーグーン、一九九四年)

ノンバーバル行動は対人コミュニケーション全体のおよそ60パーセントから65パーセンントを占めている。

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愛情表現ではパートナー間のコミュニケーションの100パーセントに限りなく近い数字を占めることもある。

例文を参考に状況に合わせた前向きな台本を心の中であらかじめ用意しておくことにより、私たちの生活において緊張が強いられる場面、会社の面接、顧客との面談、プレゼンテーションを行う等のありとあらゆる場面に利用できる。

協調的な解釈をするように促す。

タロット占いにおいては、カードの解釈の重要性をあらかじめ話しておき、相談者に意味の解釈に協力するよう施すことがある。 基本的には相談者に「力を合わせることが自分には求められている。」と思わせることが目的になる。

例:「このカードの意味は私はいつでも正確に解釈できるというわけではありません。
時に霧に包まれたように視界がぼんやりとしてしまい、あなたのほうが正確な意味を理解ができる場合もあります。 そのことを忘れないでくださいね。」

相談者はこの言葉によって、占い師の語る言葉をただ黙って受け取るという受動的なものでなく、自ら積極的に関わる必要があると思うように仕向けられる。 実際には、相談者が自発的に情報を提供して、占い師が物事を正しく言い当てるように手助けしてくれるようにすることがポイントなのだ。

これは準備段階のテクニックの中もで最も重要な面の一つで、ありとあらゆる様々な種類の占いに適用されている。

「相談者は私の解釈の手助けをする必要がある。」と口に出して発言するのだが、 「したがって、相談者は自分の情報を必要に応じて提供する必要がある。」とは発言しない。

相手からの情報を引き出すだけでなく、相手の「話す」割合を上げることにも繋がるため、まさに占い師にとっては一石二鳥の手法と言えるだろう。

この手法は相談者に情報を提供させることにウェイトを置いているのだが、相手に積極的に会話に参加させるよう施すことも重要な要素になっている。

会話をしている相手に「この人の話は上手だな」「この人と話をするのは気持ちが良いな」と思われるための「聞く」と「話す」の理想的な割合がある。その比率は「7:3(聞く:話す)」である。

一対一で会話をする場面で、自分より相手に少し多く語らせることができれば話し相手に快感を与えられ、より深い信頼を得ることができる。

親密な雰囲気を作る

普段より少しソフトな声で話したり、対立でなく共感を示す態度を取ったりして信頼関係を築く。 相手を快く迎えていると感じさせることができれば方法は何でもいい。

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心地よいリラックスできる環境で話すことも効果的。

装飾や環境も効果を発揮することがある。

例えば神秘的な感じのする版画を飾った額縁、柔らかい照明やロウソクの光、お香、リラックスできる環境音楽(オルゴール)など。

親密な雰囲気を醸し出す方法がどんなものであれ、その目的は相談者が挑戦的になったり自分の意見を主張することを防ぐことである。

この手法からは、信頼関係を築く上で相手に共感を示すことの重要性が読み解ける。

男性がよくやってしまいがちな例として、女性から悩み相談を受けた時に具体的な解決方法に重点を置いて話をしてしまうことがある。 親密になりたいと思っている相手から今以上に信頼を得たいと思う場合、こういった会話をすることが裏目に出て対立を生んでしまう可能性もあるので注意してほしい。

相手の気持ちに、より焦点を当てて話すことが大切だ。

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占い師としての信用度を印象づける

占い師は自分には権威もあって、自信も経験もあって信用できる人物だと相手に思わせようとする。 最もよく使われる方法の一つは、これまでの相談者の賛美の言葉を並べておくことだ。

また、「〇〇霊能研究センター」というような学術関係めいた名称機関が発行した証書を掲げておくという手もある。 こうした証言や証書はもしかしたら本物かもしれないが、手軽に印刷できるソフトウェアの普及した今日では、誰でも簡単にそれらしいものを作成できる。

このほか適当な参考図書をまわりに並べ、タロットカード(であれ何であれ自分が選んだ技法)は研究の対象となる広い分野なのだと思わせる策略も有効だ。 セッションの途中で分厚い本を開き、細かい解釈を「はっきりさせる」という方法も効果がある。

占い師が実際に話す内容も、言うまでもなく重要な要素だ。 これまで何年もかけて「専門分野」を学んできたことに「それとなく」触れ、これまでにリーディングを提供したVIPたちのこをほのめかし相談者も自分もなんとなくセレブの仲間入りができそうな気分に誘導する。

これは社会的証明の原理を応用したもので「行列のできるラーメン店」や「有名なあの人が利用している」と聞くとそこに行きたくなってしまう大衆心理を利用したものだ。 さまざまなビジネスシーンで広く使われている手法でもあるので、ご存じの読者も多いことだろう。

相談者をリラックスさせる

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相手の心をいかにして開かせるか。

占い師は相談者に、できる限り好意にあふれ、魅力的で、害のないような人物に映るよう心がける。 明るく陽気で行為にあふれた態度で信頼関係を確立し、もしそれが適切なら下の名前で呼び合えるような居心地のいい関係を何とかして築こうとする。

こう書くと、普通に礼儀正しくふるまうのと同じように聞こえるかもしれないが、その裏には必ず目的がある。 占い師は相談者が壁を作って自分を守ろうとすることを抑制させ、できるだけ協調的な関係を作ろうとする。 一部の占い師(霊媒や霊的な趣向を採り入れている場合など)は次のような心地よい言葉を前置きとして口にすることがある。

例:「愛に満ちた霊とともにあなたをお迎えします。とても高位な場所より私たちのもとへもたらされる贈り物をあなたと分かち合えることが、私にはこの上のない喜びなのです」

占い師は相談者が信頼関係の形成の妨げになりかねない不安や恐怖を抱くことを警戒する。

たとえば、相談者のなかには占い師によって必要以上に自分の内面が見抜かれるのはでないか、心の奥そこにあるくらい秘密を暴かれるのではないか、悪い知らせがもたらされるのではないかと、用心深くなっている人がいる。
こういう懸念を取り除くために占い師はこんなふうに語るだろう。

例:「最初に言っておきたいことは、何も心配はいらないということです。私たちはあなたの人生における前向きな流れを見ようとしているのですから。 あなたのこれからの人生において、あなたが未来を最大限に利用するためのお手伝いをしたいのです。ご自身では想像もつかないほどたくさんの素晴らしいことが待ち受けているかもしれません。 もちろん、誰の人生にも光と影があります。それが現実というものですよね。でも、私としては雨降りよりも晴れの日に心を向けたいと思っています。私の言いたいことが分かっていただけますか?」

批判的な人物とのやり取りはほとんどの人が不快に感じるだろう。 例え相手の話してることと意見が違うからと言って直接的に批判を行えば相手は批判されることへの恐怖心から萎縮してしまい、同時に信頼も失ってしまう。

話している相手に好かれたいと思っているのなら、話し手の気持ちを尊重することがやはり一番大切なことだ。

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まとめ

  • 会話の前や最中にポジティブな言葉を心の中で唱えることで自身のボディランゲージが変わる。そして、そのことにより相手に好印象を与えられる。
  • 会話において相手から信頼を得られる人物は相手の話をより多く引き出す。理想の「話す」と「聞く」の割合は7:3。
  • 相手と親密になりたいのなら相手の気持ちに共感を示すこと。会話をする環境やボディランゲージも大切。
  • 人は自身で自覚している以上に、周りから影響されやすい。これを意識すればビジネスやコミュニケーションに応用できる。
  • 相手をいかに安心させ、心を開かせるかが大切。そのためには相手の不安を煽る言動をとらないよう意識的に心がけよう。

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